新年度が始まり早一ヶ月、間もなく4月が終わろうとしている。通勤途中、大きなランドセルを背負った1年生によく遭遇する。
にこにこと友達や上級生と楽しそうに登校する子、不安気な表情で家族に手をひかれ登校する子、一人でルンルン楽しそうに登校する子、様々。皆、頑張れーって応援したくなる。知っている子を見つけたら、お~いとお互いに手を振ってみたり、朝の慌ただしい時間に毎年ほのぼのした気持ちなる。
ここ数年と変化なんだけど、1年生でなくとも、門のところまで親御さんが同伴するパターンが増えたなってこと。理由は分からない。ただ単に運動がてら他の子の見守りも兼ねて、という知り合いもいるんだけど、同伴することで門のところで気持ちの切り替えができる子もいるのかな?とか1人勝手に考えたりもする。いずれにしても集団登校のないこの辺りでは、通学時間帯に地域の皆さんに見守りをお願いしているので、大人が一人でも多く外にいるのは良いこと!同伴登校していた私には、違和感はひとつもない。むしろ当時もこんな光景だったら良かったのに、と思うくらい。
我が家の子たちが小学1年生の頃を振り返ってみると、とんでもない大変な毎日であったことはまだ鮮明に覚えている。上の子は特に何もない。スムーズだったし、学校も楽しんでいて、特にトラブルなく過ごしていた。大変だったのは下の子。このブログの主人公ともいえる娘。娘がのちに行き渋りや不登校、保健室登校や別室登校、はてはフリースクール通いまで経験することになろうとは、小学校入学当初私も予想していなかった。いや、多少の行き渋りは予想していたというのが正しい。しかし娘は想像を超えてきた(・∀・)壮絶な日々の始まりは、高校2年生となった今も、ある意味終わってはいない。やはり元不登校児、スムーズではない日は人より多いと思う。娘は小学1年生の今ごろから行き渋るようになった。最初は張り切って兄や近所の子と行っていたので、幼稚園時代の行き渋りがウソのように思え、覚悟はしていのでやや拍子抜けした。しかしそんなのつかの間だった。やはりすぐにエネルギー切れした。想定範囲内。最初はあの角まで、あの道まで、と日々同伴する距離が増えていき、門のところまてまで、学校玄関まで、教室前まで、教室内まで、と日々同伴する距離は更新されていた。もう私も出勤前に必死。休むとは言わない娘。仕度はスムーズにしていた。学校休むという選択肢を知らなかったのだと思うけど。私も休ませるつもりはなかったし。周りの冷たい視線なんてそのうち気にならなくなった。気にするほどの余裕がなかったというのが正しい。
「教室が怖い。」と教室前で立ちすくんだ日を境に、娘は学校について私と離れる時に、言葉にならなず泣き叫んでいた。タッチをしてバイバイするルーティンだったのだけど、まだタッチするー、とかまだお母さん行くの早いー、とか。一旦預かってくださった保健室の先生に抱っこされていた娘の泣き声は隣の職員室にも響き渡っていたそう。保健室の先生のおかげで、この時間になったらお母さんは仕事に行く、その後担任と教室に行く、という流れだけは崩れなかった。こんなに泣き叫ぶ子はもちろん他にいない。行き渋って母が玄関付近まで同伴する子はいたけども。学校への道中もご機嫌に行ける日もあれば、グズグズ行きたくないと泣く日もある。シクシク泣くんじゃないのよ、引き返そうとしたりひっくり返ったり、暴れる。小柄な娘をランドセルごと抱えて学校に連れ行った日もあるよ。とんでもない親だよね。なんでうちの子だけ、私のせいなのか、そんな時はネガティブ思考が止まらない。小学生にもなって先生に抱っこされる娘の姿、他の子は一人で登校してる現実、うちの子だけ校内に保護者、押し寄せてくる自責の念。それは年数が経過した今でも私の中から完全には消えていない。
この春小学1年生になった子たちにも、スムーズな子もそうでない子もいると思う。私と同じように辛くて苦しいスタートをきった親御さんも少なからずいらっしゃると思う。もう本当に毎日よく頑張ってる!おつかれさま!としか言えない。同じ経験をしたものにしか分からない気持ち。共感しかできなくて。この時期に、よし、もう学校行かなくていいよ、だなんて切り替えれる親御さんはごくごく一部。私の周りにはいない。まだ始まったばかりの小学校生活。行ってほしいと思うのが当たり前。行き渋る理由は様々だと思うけど、明確なものがあるのなら学校とも話をして欲しい。こと、いきなり小学1年生で、“バズれ担任”である場合もある。子に合わせない指導、威圧的な指導、普通にある。担任ではなく管理職の先生方を交えることがおすすめ。遠慮はいらない。だってそれが原因で登校できないと明確なのだから。モンペではないよ。明確な理由がなくても、誰かと共有して欲しい。1人じゃない、同じ経験をしている人は実は本当に多い。身近に同じ境遇の人がいないと不安になる気持ちは私も分かる。
“抱っこちゃん” 私たち親子の6年間を見守り続けてくれた地域の方がつけた娘の呼び名^^;ランドセルごと抱えられた子はまだあの後おらんよって。そりゃそうだよね。「抱っこちゃんは元気?」と今でもお会いすれば声をかけてくれる。抱っこちゃんは高校2年生。大変なことも多いけど、将来に向けて頑張ってる。もう戻りたくない日々だけど、やはりすごく貴重な経験ではあったのかなと振り返る。
ゴールデンウィーク明けもまた行き渋る子が増える頃。こんなにも学校行きたくないという子が増えているのだから、学校のシステムがもはやおかしいのだと思う。誰1人取り残さない、とは言ったものの、やはり取り残された感が半端ない現実。それが分かっているから親は必死に学校行かせようとする。それも現実。国はもっと現状を知ってほしい。学校に行けない子とその家族がどんな思いで毎日を送っているのかを。
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